最終回だよ

2012年1月18日開始してからほとんど休むことなく更新してきた当ブログも最終回がやってきました。

ある意味、備忘録としても活用してきたわけですが、長くなると惰性感も強くなり、この辺で冷却期間をおいて、再開するかどうかを考えてみたいと思います。

とりあえず、過去ログはFC2でバックアップとっています。



振り返れば8年の間に、私の周りだけでも、父親の死去、愛犬の死、彼女との別れなど哀しい出来事も多くありましたが、ブログで思いのままを勝手気ままに書きなぐることで、ストレス発散という効果やどこかで誰かと繋がっているという安心感もあったことは事実です。



まあ、再開についてそれほど深刻に考える必要もないのですが、また皆さんとどこかでお会いできる日が来るかもしれません、皆様もご自愛のほどを。



最後は、いつものように本の紹介で終わります。



里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21) – 2013/7/10

藻谷 浩介 (著), NHK広島取材班 (著)

内容(「BOOK」データベースより):

課題先進国を救うモデル。その最先端は“里山”にあった!!危機を超え未来を生む、すり潰されない生き方を提言!!

<目次>

はじめに 「里山資本主義」のススメ

第1章 世界経済の最先端、中国山地

―原価ゼロ円からの経済再生、地域復活

第2章 21世紀先進国はオーストリア

―ユーロ危機と無縁だった国の秘密

中間総括 「里山資本主義」の極意

―マネーに依存しないサブシステム

第3章 グローバル経済からの奴隷解放

―費用と人手をかけた田舎の商売の成功

第4章 「無縁社会」の克服

―福祉先進国も学ぶ「過疎の町」の知恵

第5章 「マッチョな20世紀」から「しなやかな21世紀」へ

―課題先進国を救う里山モデル

最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別を

―日本の本当の危機・少子化への解決策

おわりに 里山資本主義の爽やかな風が吹き抜ける、2060年の日本

あとがき



藻谷/浩介:

1964年、山口県生まれ。株式会社日本総合研究所調査部主席研究員。株式会社日本政策投資銀行特任顧問。88年東京大学法学部卒、同年日本開発銀行(現、日本政策投資銀行)入行。米国コロンビア大学ビジネススクール留学、日本経済研究所出向などを経ながら、2000年頃より地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演を行う。平成合併前の約3200市町村の99.9%、海外59ヶ国を概ね私費で訪問した経験を持つ。その現場での実見に、人口などの各種統計数字、郷土史を照合して、地域特性を多面的かつ詳細に把握している



では、読者レビュー怒涛の3連発です。



Genius Cancer 2018年7月3日

格差の拡大や、先進国のゼロ金利化など、行き詰まりを見せる「グローバリズム経済」(本書では「マネー資本主義」と呼ばれる)。その次に来るべき新しい経済システムは何か。その答えを探して本書を購入してみた(200を超えるレビューが既に掲載されているので、同様の関心をお持ちの方も多かったのではないだろうか)。

しかし、本書のいう「里山資本主義」の本質は、「マネー資本主義」に対置される経済システムというよりは、そのバックアップ、若しくはその補完的な「経済活動」あるいは「暮らし方」程度に止まる。取材範囲は「林業国」オーストリアまで広げられているとはいえ、本書の主題は、煎じ詰めれば「マネー資本主義」に置き去りにされ過疎に悩む(NHK広島の地元である中国地方の)田舎を経済的に再活性化する取組みを紹介することにある。確かに、里山や耕作放棄地などを利用した新しい「経済活動」には違いないが、そこに普遍的な未来の経済システムを見ることはできず、正直なところ「里山」に「資本主義」という言葉をつける意味もよくわからなかった。

さらに疑問がある。自然を利用することでお金のかからない生活、金銭を得るために競争する必要のない生活、それを本書では断定的に「豊か」と形容する。全ての人が本当にそう感じるのだろうか。都会人が就農して失敗するケースもある。その場合、金銭的に「貧しい」筈だが、それでも食料が自給できれば里山暮らしを「豊か」だと実感できるのだろうか。社会全体が金銭価値を中心としない価値観に大きく転換しない限り、多くの人がそう考えることは難しそうではある。

とは言え、本書は、我々の未来が「都市」の中だけにある訳ではないことを明らかにしてくれた。本書の意義はそこにこそあると思う。「マネー資本主義」の下で都市は拡大しつつあり、国土の主要な平野部は、アスファルトと鉄とガラスとコンクリートで覆われつつある(Google Mapで関東平野を俯瞰して頂きたい)。山々の木々は伐られ、そこに続々と戸建住宅やマンションが建設される。我々は、心のどこかでそのことに心を痛めている。都市での便利な生活から離れられはしないが、「本当はこれは間違っている」と多くの人が感じているのだ。だからタイトルを見て思わず本書を買い求めてしまう。私はそのひとりである。

人類にとって、あるべき経済システムは、地球全体が今後何億年も持続可能であるものでなければならない。人類のみならず、この地球上に生きとし生けるものが全てそのまま存続できる経済活動である必要があるだろう。だが、それは、絶対に「都市」にはない。「里山」の方にあるのだ。それは、ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ氏が「懐かしい未来」という言葉で表した、昔人類がそうしていたように全ての人間が自然の中で今より不自由な生活をすることかも知れない。あるいは、人間の住む「都市」と人間の住まぬ「自然」とを完全に分け、人間は「都市」での生活と「自然」に近い「里山」での生活を行きするシステム(養老孟司氏の仰る「参勤交代」的なものも含め)なのかも知れない。

いずれにせよ、私たちの未来は「里山資本主義」で示された方角にあることは間違いない。だが、「マネー資本主義」の次に来るべき経済システムの全貌を把握するには、もうひとつ山を超える必要がありそうである。その山を越えられそうな研究者は我国にそう沢山はいない。そのお一人である藻谷浩介氏のこれからのお仕事に大いに期待しています。




オジサン太郎 2014年1月26日

この本を、下記のよう読むのは間違いである。

・里山賛美、田舎暮らし賛美の本

・今後の日本経済の課題を解決してくれる本

・木材利用の経済効果を期待する本

・理論的な書物

・田舎の体験の紹介の本

・知識を得るための本

 このような本として読むと期待はずれであり、不正確、理論性の欠如などが目につくだろう。この本の理論面を批判するのは、時間の無駄である。理論的には、意味不明、趣旨不明の部分が多い。

 里山資本主義の概念は漠然としており、感覚的なイメージでしかない。エッセイだから、イメージでもかまわないのだが、ところどころに理屈が出て来るので、困る。経済的採算抜きに里山に惚れ込むのが、里山資本主義のような記述箇所があるが、経済的採算が成り立たなければ、田舎で食っていけない。

 著者は、おそらく2人とも都会に住み、里山を取材して、この本を書いている。里山の生活を知らない。頭の中で考えて里山のイメージを作っている。生活経験がなければ仕方がないが、里山を美化することは客観性に欠ける。

 この本で広島県庄原市を取り上げているが、庄原市ではバイオマス事業が失敗した。この本はそれについては触れていない。失敗の原因を考えることは理論的には重要な問題だが、通常、ジャーナリストは、都合のよい材料だけを取り上げるので、記述に偏りが生じる。庄原市の失敗の原因は経済的採算性の欠如にある。ほとんどの自治体のバイオマス事業が失敗した原因も同じである。真庭市の成功は、その採算性にあった。真庭市と庄原市はそれほど離れていない。この本は、問題点を検討することなく、成功例を恣意的に取り上げることで、一見、夢や幻想を与えるから、売れるのかもしれない。しかし、もっと地道で堅実な検証が必要である。

 Iターンする人が少なくないが、失敗する人も多い。田舎は賃金が安いこと、仕事がきついこと、閉鎖的・封建的な人間関係と家族関係、イジメ、セクハラ、長時間労働もあり、決してバラ色ではない。学校での不登校、イジメも、当然ある。田舎でも都会の文化が浸透している。田舎でも既存の業者との競争があり、経験、能力不足から競争に負ける。田舎で起業する成功者は少ないが、成功する人は、たぶん都会でも成功するだろう。意欲、創造性、能力、営業力、努力、先見の明などがあれば、田舎でも都会でも成功する。それまでにないものを見つけ、発展させ、採算ベースに乗せる才覚が必要(私も16年前にIターンした)。

 田舎は、新しいことに挑戦するには良い場所だ(地価の安さ、生活費の安さ、人件費の安さ、労働力が余っていることなど)。目的意識のある人には田舎は天国であり、それがなければ田舎は地獄だろう。

 この本は伝聞に基づくエッセイであり、考えるための材料である。理論は別に研究者によって深く研究されるべきだろう。

 里山や田舎暮らしを賛美する本は昔から多い。田舎暮らしが素晴らしいかどうか?うーむ。なんとも言えない。人によるだろう。それは個人の趣味のレベルの問題。里山に対する目的意識による。現実に里山が存在するという事実を受けとめること。現実に里山が存在するのに、それを利用しないのは、モッタイナイ。そこから経済的発想が生まれる。情緒的な里山賛美は別の次元のもの。

 バイオマスに関する本も多いが、関心のある人は、それらを読めばよい。

 材木の利用だけで日本経済が変わるはずがないのは、当たり前のこと。

 理論書ではないこの本に、問題解決の理屈を期待しても仕方がない。

 自然を資源として活用した循環型社会を作ることは重要であり、この本はそのような社会へ向けた問題提起をしている。自然エネルギーや自然資源を活用し、かつ、それが自由競争の経済の中で自立できるか。個人の趣味のレベルで田舎暮らしをするのは簡単だが、経済として成り立つことが最大の課題なのだ。

 成功例をいくつかあげたとしても、それだけでは普遍性はない。国家レベルの施策としてどのように取り入れていくか。ドイツ(この本ではあまり触れていない)やオーストリア(ここもドイツ人の国。オーストリア人は存在しない)の施策から日本が学ぶ点は多い。

 国の借金で外国から資源を輸入し製品を輸出するという方法は、いずれ行き詰まる。世界市場が限られ、発展途上国の方が人件費が安い中で日本の競争力は低下する一方だ。日本でしかできない付加価値は何か。同様に、田舎も都会にはない田舎特有の付加価値を見つけなければ、都会との格差が拡大し、いずれ田舎に住む人がいなくなる。

 里山利用に限らず、実は、再生可能な循環型社会でどのようにして、採算をとるかが問題である。幸福とは何か、人間の生き方はどうあるべきか、価値とは何かといった点を考える必要があるが、夢を持つだけでは、生活が成り立たず、変わった田舎愛好者しか田舎に定着できない。年金で生活できる人が、里山の夢を語るのでは、昔からある里山賛美と同じである。生活が成り立てば、おのずから田舎にも人が集まる。

 経済的採算性が最大の課題であり、それを無視して、夢を語るところからは展望は生まれない。オーストリアの成功は、経済的採算性に知恵を使った点にある。そのような知恵が日本でも必要である。

 日本の政策は、ドイツやオーストリアとはまったく逆の方向を向いている。それでよいのかという問題提起。それを選択するのは国民の判断に委ねられている。




elvient 2014年5月21日

本書で語られているのは、地方の衰退の原因である他地域との「貿易」赤字をいかに減らすかということである。公共事業がいい例だが、その対策として収入をいかに増やすかという点に、過去ずっと力点が置かれてきた。それに対して、本書では支出をいかに減らすか、具体的には赤字の最大の原因であるエネルギーと食糧の地域自給率を向上させるかという視点で地域経済を語っている。その地域自給率向上のために、今まで着目されていなかった地方の既存の資源を用いるという方法論を、NHKでは「里山資本主義」と名付けいるが、このキーワードの是非はともかく、その考え方の斬新さは大いに評価すべきである。

ただし、2つの点で私は本書を評価できない。まず第一に、本書が地方をあまりにユートピア的に描いていることである。本書では、地元の有志による画期的な試み、あるいは都会から移り住んだ人と地方の元々も住民とのコラボレーションで新たな商品などを創造した成功例を挙げている。都会の孤独死などと比較しつつ、地方の人間関係の濃密さのすばらしさを手放しに持ち上げているが、人間関係の濃密さというのは、一歩間違えば人間のネガティブな面をより濃厚に見せつけられるという側面も否定できない。本書ではいずれも成功例を挙げているが、一つの成功例の下には、百の失敗例があるはずである。そして、その失敗の原因の多くが、人間関係の濃密さに起因することは論を待たない。

本書は、NHKの取材班によって書かれた部分と、藻谷氏によって書かれた部分の2つに分かれている。NHKの取材班によって書かれた部分は、やはりテレビマンによって書かれたからだろうか、取材内容の精密さには問題があるものの、どこかかつてのプロジェクトXを彷彿させ、つかみのうまさもあって読んでいておもしろい。地方をあまりに牧歌的に描いている弊害はあるが、NHK的な一歩引いた感じにも好感が持てる。

しかし、藻谷氏によって書かれた部分はまるで違う。グローバル経済への批判、いわゆる20世紀型「殖産興業」にこだわる日本政府への批判を展開した後、「里山資本主義」が地方の活性化のみならず、日本人により幸せな新しい生き方を提供しうるという主張で話を終えている。しかし、藻谷氏の現状への批判には賛成できる部分も少なくないものの、あたかも「里山資本主義」が現在のグローバル経済に対峙する新しいパラダイムであるかのような考え方には賛成できない。どんなに「里山資本主義」のコンセプトが広く受け入れられたとしても、グローバル化された経済の現状では、せいぜい一部地方経済における補完、および都会人がコンセプトの一部を受け入れてライフスタイルを若干変更するという以上の意味合いは持たないだろう。それに、藻谷氏の書き方のせいなのか、「里山資本主義」による生き方の優越性が必要以上に鼻につき、藻谷氏を教祖とする新興宗教じみた印象すら持ってしまう。これが、私がこの本を評価できない最大の理由である。

過疎化と高齢化に苛まれる地方の生き残りのための方策、あるいはより自然に寄り添った生き方の提案という意味で、この「里山資本主義」には無視できない魅力がある。実際、NHKの記者によって書かれた部分だけなら、☆4つでもおかしくない。NHKの広島支局がこの「里山資本主義」に関する番組制作を続けるのであれば、次回作はNHKの記者だけで執筆してほしい。




2014年の新書大賞1位で発売当時には政治家の間でもかなり話題に上った本である。

日本は世界経済の景気動向に振り回され、日本に直接関係のない他国の失政によってでさえ多大なる影響を受けてしまうグローバル経済の網の目にからめとられています。こうした状況では、他国からの(悪)影響を最小限にした経済的安定こそが最強のライフラインである。

その1つの解決策が里山資本主義、自給自足の循環経済という考え方である。

もちろん、マネー資本主義から今すぐ決別せよということではなく、あくまでも水や燃料や食料が継続して手に入るライフラインのサブシステムとしてリスクヘッジせよというのが原点である。

一方、日本の課題としてデフレ脱却が最重要課題と言われているが、筆者(藻谷氏)によれば、デフレの正体とは過剰供給を止めない企業の苦境の構造であって、デフレ脱却の処方箋は「飽和市場からの撤退と新市場の開拓」だけだとする。(P270)

まあ、その有望な新市場の開拓こそがむつかしいのだが・・



自然に恵まれた日本の利点を最大限に活かせる里山資本主義は、本書に成功例としてでてくる林業だけではなく、農漁業にも応用できる発想法でもあるし、現に近海養殖や植物工場などの新たな形の自給方式が現れています。

また過疎地の積極的活用により、限界集落問題や雇用問題などにも歯止めがかかる可能性もあります。

要は地方の強みを最大限生かすことで、日本全体の底上げにもつながる可能性を秘めています。

とはいえ、里山資本主義はマネー資本主義の代替としてとらえるのではなく、あくまでもライフラインのバックアップシステムとして機能させながら、同時に過疎化対策の有望なアイデアとして推進していくのが正解だと思います。



最後にもう1点、気になる二酸化炭素排出についての言及がなかったのは残念でした。

というのも、木質ペレットは燃焼によってCO2を発生するが、化石燃料の燃焼とは異なり炭素循環の枠内でその総量を増加させるものではないため、統計上は排出しないものとして取り扱うことができる(カーボンニュートラル)、不要物を原料とするなどCO2排出量削減の観点と、近年の原油価格高騰に対抗するコスト削減の観点から急速に注目を浴びているわけですので。

一方ではこんな課題も・・

ペレットは木を原料とするため、寒帯林・温帯林・亜熱帯林、また針葉樹か広葉樹かにより出来上がる製品の品質に差が出る。このためストーブメーカーなどが顧客の使用するペレットがどこで作られた物か聞き取りをし、空気量やペレット供給量などを設定しなければ想定通りの燃焼を得られないケースがある。 (ウィキペディア)

この程度の課題なら対応可能ですよね。

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おいしいランチ

昼ご飯を食べに歩いていると、行列を発見!



なんと、肉の日ということでハラミ400gが1100円という大盤振る舞い、もちろん楽勝でした。



次の話題です。



やるなら、もっと早くすべきです。



ゴーン被告逃亡、東京地検が弘中事務所を家宅捜索

1/29(水) 産経新聞

 カルロス・ゴーン被告(65)が保釈中に国外逃亡した事件で、東京地検は29日、弁護人を務めていた弘中惇一郎弁護士の事務所の家宅捜索を始めた。ゴーン被告が使用していたパソコンや関係資料を押収し、解析を進めるもようだ。

 ゴーン被告は保釈条件で、弁護団の弘中弁護士の事務所が提供したパソコンに限り、平日午前9時~午後5時に、事務所内で使用できることになっていた。逃亡後、地検は任意提出を求めたが弁護団は拒否。地検は差し押さえ令状を取得し、今月8日に弘中氏の事務所を訪れたが、弁護団は刑事訴訟法に規定された押収拒絶権を行使し、「押収は違法」との見解を示していた。




これだけ日数が経っていれば証拠隠滅が図られるには十分な時間だったはずなんだが・・



呑気な地検です。



では、良書の紹介です。



偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る– 2019/5/17

岩田 温 (著)

内容紹介:

憲法改正、安倍政治、安全保障、国際関係……その「正義」が日本を亡ぼす!

新進気鋭の政治学者が教える「ニュースの裏の意図」とは

日本メディアの「論調」は、常識からかけ離れている!

[本書に登場する主な面々]

池上彰、石破茂、枝野幸男、岡田克也、小沢一郎、小池百合子、小泉純一郎、小泉進次郎、志位和夫、玉木雄一郎、鳥越俊太郎、野田佳彦、鳩山由紀夫、前原誠司、村山富市、森達也、蓮舫 ほか

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「リベラル」を自称する彼らは、本当の意味で少数者の権利を擁護するつもりもなければ、多様性を認めるつもりもない。

日本や日本国民を攻撃できると思った瞬間にマイノリティーを擁護するポーズを取ってみせたり、多様性を守る芝居をしてみせたりしているだけの話にすぎない。

彼らは煎じ詰めれば日本を呪詛する人々であり、「リベラル」の仮面を被った偽善者にほかならないのである。

(「はじめに」より)

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【目次】

はじめに 自分たちと意見が異なる他者を徹底的に弾圧する

「リベラル」を自称する人々の正体



第一章 政治家、評論家の偽善を斬る

・悪夢の民主党政権の始まり「鳩山由紀夫」氏の政治思想

・「バリバリの保守」だと詐称する蓮舫氏

・いきなり脱原発を言い出しても不思議ではない「変人」小泉純一郎氏

・自らの信念を語らない小泉進次郎氏

・築地、豊洲市場移転問題で化けの皮が剥がれたポピュリスト・小池百合子氏

・政治とは何かをまったく理解していない石破茂氏

・若者を愚民視する「リベラル」映画監督・森達也氏

・国民を馬鹿にする老害・鳥越俊太郎氏

・まったく公正、公平、中立ではないジャーナリスト・池上彰氏



第二章 メディアの偽善を斬る

・カンボジアPKO派遣の悲劇を反省していない朝日新聞

・マッカーサー書簡をあたかも大発見かのように報道した「東京新聞」

・反安倍一色のテレビ・ワイドショー



第三章 「憲法改正」ニュースのおかしな議論

・現実を直視せずに偽りの立憲主義を叫ぶ野党

・「憲法改正」を選挙の争点にしようとしない野党

・共産党と手を組んだら立憲主義は成り立たない

・集団的自衛権は立憲主義に反しない

・自衛隊を違憲と認めながら、改正を必要としない野党

・憲法に自衛隊の存在を明記しなければいけない理由



第四章 「安倍政治」ニュースのおかしな議論

・戦後七十年の安倍談話に「侵略」の文言を加えろと主張する学者たち

・「一億総活躍社会」にも難癖をつける野党の愚かさ

・民主党と維新の党の合併は「社会党」への先祖返り

・「オスプレイ派遣」を素直に喜べない野党政治家

・安倍政権の独走を許す野党の迷走

・宗教化している日本特有のガラパゴス左翼

・旧民主党にはなかった義理・人情を大事にするのが自民党政治の強さの秘訣

・翁長雄志前沖縄県知事の県民葬で非常識ぶりを露呈した「リベラル」たち



第五章 「安全保障」ニュースのおかしな議論

・安倍内閣の集団的自衛権容認は、後世に評価される見事な決断

・北朝鮮が脅威とは絶対に言わない日本共産党

・「攻撃されても一切反撃するな」と説く平和ボケの野党議員

・決して不磨の大典ではない「非核三原則」

・将来の紛争に備え、日本も核兵器武装を検討すべし



第六章 「国際関係」ニュースのおかしな議論

・法よりも反日感情が優越する韓国

・北朝鮮相手に同じ過ちを繰り返してはいけない

・前提条件なしに南樺太をロシア領だとするセンター試験

・韓国の女性家族長官の史実に反した「性奴隷」発言

・金一族の思想を読み解けば、北の核廃棄はありえない

・朝鮮専門家の見識はあてにならない

・金一族の正統性が揺らぐ核放棄

・「吉田ドクトリン」を見直す時期

・在韓米軍撤退もありうる不安定な朝鮮半島情勢

・「韓国は異様な反日政策を取っている」発言を政治的だと批判する「リベラル」

・慰安婦問題と同じ構造のレーダー照射問題

・自分たちの非を絶対に認めない韓国

・「約束を守らないのが朝鮮人の本質」と百年前に喝破していた福沢諭吉

・朝鮮に気がねして西郷隆盛を貶めるな

・国際政治の常識が通用しないトランプ氏と鳩山由紀夫氏



第七章 「イデオロギー」という名の偽善を斬る

・「反知性主義」を誤用する人たち

・ナチスを髣髴させる障害者差別発言の教育委員

・「女性に数学は不要」と露骨な女性蔑視の鹿児島県知事

・国連に対する日本政府の抗議をなぜか糾弾する共産党議員

・人権を錦の御旗に皇室廃絶をたくらむ学者たち

・小さな「正義」が跋扈する不寛容な現代社会

・「リベラル」が夢想する「多文化共生社会」を打ち砕く移民の現実

・被害者とその遺族に対する想像力が欠けている死刑制度廃止論

・自らも殺人を犯した無期懲役囚の死刑擁護論

・死刑制度を哲学的に考える



おわりに 〈彼ら〉は善く生きようなどと思ってはいない。

善く生きているように思われようとしているだけだ。



岩田温(いわた・あつし):

1983年生まれ。

早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院修了。

現在、大和大学政治経済学部講師。専攻は政治哲学。

著書に『人種差別から読み解く大東亜戦争』『「リベラル」という病』(彩図社)、

『逆説の政治哲学』(ベスト新書)、『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、

『流されない読書』(扶桑社)などがある。




では、読者レビューです。



ヤングガン 2019年6月3日

『自称』リベラルの本質をついた良書です。

特に印象的だったのが下記の文章。

〇口先で「多様性」だの「少数者の擁護」を叫びながら、自分たちと意見が異なる他者を徹底的に弾圧するのが彼らの特徴だ。

〇〈彼ら〉は善く生きようなどとは思ってはいない。善く生きているように思われようとしているだけだ。

これは自称リベラルの本質をそのまま表した言葉です。

私も以前から疑問に思っていました。

なぜ彼らは人権を声高に叫ぶのに中国・北朝鮮のことには触れないのか?

女性の尊厳を口にするのに韓国のライダイハン問題、性犯罪の多さには言及しないのか?

ヘイトやデマを批判するが、日本に対するヘイトやデマには何も言わないのか?

これらの疑問に丁寧に答えてくれたのがこの本でした。

様々な事象において、実際の人物の言動に触れつつ、良いと思うところ・疑問に思うところなどを虚心に語ってくれています。

政治や社会問題に関心のある方にはお薦めです!




もう1本。



leo 2019年5月28日

本書は岩田温先生が昨年出版された「リベラルという病」の続編とも言える、日本のガラパゴス左翼的「リベラル」への痛烈な批評です。これまで様々な媒体に発表されていきた論考がまとめられており、とても読みやすい本です。

本書の核心はズバリ冒頭の「はじめに」のタイトル「自分たちと意見が異なる他者を徹底的に弾圧する「リベラル」を自称する人々の正体」に言い表されています。

マスコミに跋扈する「リベラル」を自称する人々の言説を聞くたびに、私自身も常々同じ感覚を持っておりました。



第1章では、鳩山由紀夫、蓮舫、小泉親子、小池百合子、石破茂などなど私から見ても首を傾げざるを得ない発言を繰り返す人たちを明快な論理で快刀乱麻に成敗?してくれています。



第2章では、朝日、東京の両新聞とテレビワイドショーなどのメディアの偽善を指摘しています。この中で朝日新聞の批判・世論誘導によりPKO派遣にて正当防衛以外の武器使用が認められず、カンボジアで非武装の民間人に犠牲者が出た事例を取り上げています。これこそ、自分は安全圏に身を置きながら一見正論を唱え、民間人・自衛隊員を危険にさらす無責任な日本型リベラルの悪質さであると著者は鋭く指摘しています。



第3章は「憲法改正ニュースのおかしな議論」として集団的自衛権行使容認の平和安全法制に対し、「戦争法」「徴兵制がやってくる」とリベラル勢力が極端な脅しで世間をミスリードした点への批判を皮切りに、立憲主義に基づいて本丸である憲法改正=憲法における自衛隊の存在の明記の必要性について論じています。



第4章、第5章はそれぞれ「安倍政治」「安全保障」ニュースのおかしな議論について多くの事例を挙げて日本式リベラルの矛盾・迷走が記されていますが、中でも共産党の安全保障政策(?)が「日米安保条約を廃棄し、自衛隊の解消を目指す政党」という異常かつ非現実的なものであるにも関わらず、旧民主党系が選挙で共闘しようとしている点のこれまた無責任さを指摘しています。中でも立憲民主党の枝野代表他の自称リベラルについて以下のように看破した点は痛快でした。

『 「憲法九条を守っていれば平和が維持できる」「集団的自衛権の行使容認で徴兵制がやってくる」といった、非現実主義的な「平和主義」を信奉する人々を「リベラル」と呼ぶことが多い。こういう人々は本来「保守」でも「リベラル」でもない。愚かなだけである。日本列島に生き残る「ガラパゴス左翼」と呼ぶべき勢力なのだ。(中略)盲信的に憲法九条に拝跪する様は、一種の宗教儀式を連想させるものだ。』



第6章では「国際関係ニュースのおかしな議論」というテーマで、厄介な隣国、韓国・北朝鮮の事案を中心に、当たり前のことが通らない異様な報道(例:山梨大学島田学長発言への批判や韓国の安倍総理批判など)について論じています。



そして最終章である第7章は「「イデオロギー」という名の偽善を斬る」というサブタイトルで、本来リベラルが目指すべき多様性の尊重と対極の「小さな正義が跋扈する不寛容な社会」について論じています。昨今私自身も度々感じていますが、ネット上で、論敵を完膚なきまでに過激な発言で叩きのめす様は、岩田先生が指摘する「敵対者を攻撃している際、人々が正義に陶酔している」ということなのだと思います。

一方、欧州における移民政策の失敗を見ると、多文化共生は口で言うほど実践は簡単ではないと述べられています。端的な仮説として本書ではこう述べています。

「果てして、天皇を「国民の象徴」として受け入れることなど到底不可能だという外国人が増加したとき、日本は日本であり続けることができるのだろうか。」



さて、この本の最後のパートであり最も印象に残ったのが40ページにわたる「死刑制度廃止論」の部分です。私自身は被害者の遺族の感情、いわば国が代わって仇討ちして無念を晴らす、という点、もちろん犯罪抑止力としても死刑制度が必要であると考えており、本書の無期懲役囚の「死刑絶対肯定論」はそれを裏付けると思いましたが、まさにこれを書いている2019年5月28日に起こった無差別殺傷事件を見ると、狂った者にとっては犯罪抑止力足り得ず「間接自殺」を招く制度でもあるのではないかとも思われ、岩田先生の言われる通り「リベラル派の死刑廃絶論ではなく、死刑よりも厳しい刑罰を導入する形で議論を進めるべき時期が到来している」のかもしれないと思い知らされました。




「流されない読書」「リベラルという病」に続く岩田氏3冊目の本です。

今回は、日本で活動する「リベラル」の正体を手際よく暴露していく痛快本です。

保守論客としては櫻井よしこ氏が代表格でしたが、岩田氏にももっと活躍してほしいものです。

さて、本書では、池上彰、石破茂、枝野幸男、岡田克也、小沢一郎、小池百合子、小泉純一郎、小泉進次郎、志位和夫、玉木雄一郎、鳥越俊太郎、野田佳彦、鳩山由紀夫、前原誠司、村山富市、森達也、蓮舫など具体的な名前をあげながら、その言動の矛盾について指摘していきます。

捨て章無しの力作ですが、特に第4章は必読です。

とはいえ、死刑制度を論じた最終章には一抹の不安を感じました。

岩田先生は死刑制度賛成の立場ですが、自殺願望の犯罪者たちにとって死刑そのものが犯罪誘発要因になっていることから「死刑よりも厳しい刑罰を導入する形で議論を進めるべき時期が到来している」という結論に至ります。

では具体的にどんな刑罰を想定しているのかと思えば、「過酷な終身刑、例えば一切の面会を禁止、食事も最低限生きていける程度のもの、本を読むことも映画を見ることもできない状況」としているのだが、これでは寝たきりぼけ老人と変わりませんし、これが生き地獄(筆者はこの表現は使っていませんが)とも思えません。

要は何かを考えることをあきらめれば簡単に単純な生活の繰り返しに慣れてしまう人間の怠惰を甘く見ています。

死刑より重い終身刑とは、旧ソ連で行われた強制労働などの非人道的処遇のようなものであって、3食昼寝付きのムショ暮らしとは対極にあるものです。

今でさえ、犯罪人には過度に優しい人権派連中のおかげで、他人の命を奪いながら、自分だけは基本的人権をしっかりと享受できる状況になっているのに、岩田先生のいう「過酷な終身刑」でさえ瞬く間に骨抜きにされるのは目に見えてます。

さらにいえば、彼らを生き永らえさせる生活費や維持費は我々の税金だという点も忘れては困ります。

私はこんな人間のために税金が使われるのはまっぴらごめんです。

突然殺された被害者にとって、もうやり直しのきかない一生になってしまったように、加害者も自分の命でしか償う道はありえません、この点だけは岩田先生も早く正気に戻ってほしいと切に思います。

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頑張れ、6県

将棋連盟も手加減なし、ですね。



折田さん、プロ入りまであと1勝 将棋youtuber

1/27(月)朝日新聞

 「将棋ユーチューバー」として活躍している折田翔吾(おりたしょうご)さん(30)=大阪市=が27日、東京都渋谷区の将棋会館で棋士編入試験五番勝負第3局に臨み、山本博志四段(23)に170手で勝った。これで2勝1敗となり、プロ入りまであと1勝となった。

 折田さんは積極的な指し手で優位を築くことに成功。山本四段の粘りを振り切って勝ちきった。対局後、「ずっと決め手がつかめなかった。大きな勝利だが、次も楽しんで臨めたら」と話した。山本四段は「根性が足りなかった」と述べた。

 折田さんは棋士養成機関「奨励会」に在籍したが、年齢制限により2016年に退会。その後、プロとの公式戦で好成績を挙げ、試験の受験資格を得た。試験は新鋭棋士5人と戦い、3勝すれば合格する。

 第4局は2月25日。タイトル戦の一つである棋王戦で挑戦者になった本田奎(けい)五段(22)と対戦する。(村瀬信也)




ライブ中継見てましたが、山本4段は体調が悪かったのかな、しきりに鼻をぐずぐずさせてましたね。



中継で気づいたこと、対局室の扉はふすまですが、建付けが悪く結構乱暴に閉めるとガタンと大きな音がでます、折田さんの方が丁寧にふすまを閉めていたのは社会人経験の差なのでしょうか?



そして、あと1勝の相手は7大タイトルの1つの挑戦者となった本田5段、まさかそのまま対局させるとは思いませんでしたが、将棋連盟も酷だね。



では、将棋関連でもう1つ。





表は女流棋士も含めた出身県一覧ですが、岩手、福井、滋賀、山口、大分、沖縄からの棋士はまだいません。



で、奨励会をみると、初段に戸川君(13歳、福井)、4級に大林君(17歳、滋賀)と冨坂君(13歳、岩手)、6級に間君(11歳、福井)が在籍していますので県代表を目指して頑張ってほしいものです。







では、映画の紹介です。



『カウボーイ & エイリアン』(原題: Cowboys & Aliens)は、2011年のアメリカ映画。2006年発売のグラフィックノベル『カウボーイ & エイリアン』の実写映画化作品である。

ストーリー:

1873年、アリゾナ準州、一人の男(ダニエル・クレイグ)が真昼の砂漠で目ざめた。男は記憶を失っており、右腹に深い傷を負っていた。身につけているのはボロボロの下着と、左手にはまった奇妙な金属製の腕輪のみ。近くには見知らぬ女性が写った小さな写真が落ちていた。男は死に物狂いで腕輪を外そうとするが、どうしても外れない。そこに3人のならず者達が通りかかり、男が丸腰であるのを見て、追いはぎを行おうとするが、逆に男は瞬く間に3人のならず者達を殺傷し、彼らの衣服、武器、荷物そして馬を奪う。 (ウィキペディア)



昔見た記憶が薄らとはあるんだが・・

カウボーイとエイリアンというハイブリッドな着想はいい、とはいえ脚本のせいか登場人物の行動が情緒不安定すぎる。

弱い酒場のマスター(医者)の虚勢ぶり、悪役ハリソン・フォードのいい人振り、クールなダニエルクレイグが女をなくしたときのうろたえ振りなどキャラ設定と違和感たっぷりな行動に萎える。アクションものならそれに徹すればいいものをちらほらと説教臭いのも鼻につく。

以下、ネタバレあり。

綺麗なお姉さんは他の星から来たエイリアンで、地球人に警告しに来た・だとさ。エイリアンとキスするダニエルクレイグ・・キスして腕輪が外れるのならなぜ最初のキスで外れない?地球人を皆殺しにするのになぜ捕虜は生かしておいた?こんな脚本なら、まだ007が西部にタイムスリップした話の方が面白そう。

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清貧のすすめ

遊び心が大切・・ということかな。



【変革 ハウス食品グループ】タマネギで涙 謎突き止めイグノーベル賞 

2020.1.27産経新聞

 米ハーバード大での授賞式。スピーチはどうしようか、気をもんだ。「人々を笑わせ考えさせてくれた業績」に与えられるイグノーベル賞。スピーチでも笑いを求められる。だが、心配は杞憂に終わった。

 「タマネギが人を泣かせる生化学的なプロセスは、科学者が考えていたより複雑であることを明らかにした」。司会者が授賞理由を説明すると、会場は笑いに包まれた。同賞ならではの賛辞だ。

 「大の大人が一生懸命研究するようなことか、と面白かったのでしょう」。ハウス食品グループ本社基礎研究部の高度研究参事、今井真介(62)は2013年の受賞式をそう振り返る。業務での研究をきっかけに、タマネギに含まれる「催涙成分」の生成を促す酵素「LFS」を突き止めたのだ。

 きっかけとなった研究は1990~91年ごろに始めた、レトルトカレーの製造に関するものだった。ニンニクとタマネギのペーストを混ぜてきつね色に炒める工程で、なぜか緑に変色してしまうことがあった。廃棄処分せざるを得ず、解決策を求められていた。

 今井はタマネギとニンニクそれぞれに含まれる成分「アリイナーゼ」が変色に関係していることを見つけ、混ぜる前にニンニクを十分に加熱すれば変色しないことを確認した。

 研究はおよそ3年に及んだが、そこで終わらなかった。「タマネギ由来の粗精製のアリイナーゼを使った場合の変色はニンニクのそれに比べて弱い。何か未知の成分がある」。アリイナーゼが催涙成分や風味にも関係していることが、今井の好奇心に火をつけた。

試行錯誤の末、未知だった成分を見つけてLFSと命名。さらに「この成果を生かせば、何か面白いタマネギができるかもしれない」と今井らは研究続行を会社に申請した。

 役員が居並ぶ会議。専務の小瀬●(=日へんに方)(あきら)(72)=後に社長、会長を歴任=が、メモをびっしり書き込んだ資料を手にしていたのが今井から見えた。小瀬は、必死にプレゼンする今井にいくつか質問をぶつけた後「面白い。続けなさい」。

 2002年、英科学誌「ネイチャー」に論文が掲載されると、すぐに海外から共同研究の申し出があった。「一緒に涙の出ないタマネギを作ろう」



苦節10年「スマイル」咲いた

 「今、読みましたよ」。ニュージーランドの研究機関「プラント&フード・リサーチ」から、今井のもとにメールが届いたのは2002年10月。今井の論文が英科学誌「ネイチャー」に掲載されてすぐのことだった。共同研究をしたいという。

 論文は、今井らが発見し命名したタマネギの催涙成分合成酵素(LFS)に関するもの。LFSは、タマネギに含まれる特定の成分を分解し、人に涙を流させる催涙成分にする。今井は論文中で、LFSの働きを抑えれば「涙の出ないタマネギ」を作ることができる、という仮説を唱えた。

 植物の遺伝子組み換えに強いプラント&フード・リサーチは、今井の仮説に飛びついたのだ。共同研究でLFSを生成しないよう遺伝子を操作し栽培したところ、狙い通りに催涙成分が減った。しかし、遺伝子組み換え植物では商品にできない。

そこで路線変更。理化学研究所の協力を得て、元素加速器を使ってネオンイオンをタマネギの種子に照射し突然変異を促した。栽培して涙が出ないかを確認して、有望なものから種子を採り栽培と評価を繰り返した。

 成果はなかなか出ない。社内では「いつまでやるつもりか」と言われたこともある。

 メンバーの熱意に押され、論文発表から10年あまり。ついに涙の出ないタマネギが完成し、15年の日本園芸学会での発表にこぎつけた。ただ狙いとは少し違って、LFSではなく催涙成分生成に必要なもう一つの酵素を抑えたものになった。味は甘く、ハウスは「スマイルボール」の商品名で15年、販売を始めた。

 「人々を笑わせ考えさせてくれた業績」をたたえるイグノーベル賞を13年に受賞するなど注目を集め、今井には講演依頼も舞い込むようになった。研究の楽しさを考えるとき、友人から聞いた四つ葉のクローバーの話を思い出す。

 「四つ葉のクローバーが幸せのしるし、とされるのはめったに見つからないからではない。実はたくさんある。なのに人は探そうとせず踏みつけてしまっている」。有望な研究の種も同じだという。(敬称略)




涙が出てもいいじゃないか、にんげんだもの。



では、今週の週刊誌ネタです。



【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】

〈755〉北の富士勝昭さんの本音トークがいい

2020.1.26産経新聞

 今週、いちばん面白かったのは『週刊朝日』(1・31)の「暖簾(のれん)にひじ鉄 900回記念スペシャル対談」、内館牧子さんと北の富士勝昭さんの対談だ。

 ついでに書くと、今の週刊誌の連載エッセーのなかでいちばんおもしろい(打率も高い)のは内館さんの「暖簾にひじ鉄」。愛読している。

 対談の一節を引用しよう。

 〈内館 このあいだテレビで見たんですけど、四つ相撲でがっちりいくという朝乃山を、北の富士さんが「本格派だ」みたいなことをおっしゃって。そしたらゲスト席にいた貴景勝がみるみるムカムカして「オレは押し相撲でいきます」と言い放っていたのがよかったァ(笑)〉

 〈内館 横綱を2人も育てましたしね。

 北の富士 千代の富士には優勝回数を越されたし、北勝海が八角理事長になるとは思わなかった。参ったね(笑)〉

 『週刊文春』(1月30日号)のトップは「河井夫妻『買収』原資は安倍マネー1億5千万円だった」。

 国会開会に合わせて河井夫妻が会見、というタイミングは絶妙。

 〈捜査当局が現在解析を進めるデータを求め、小誌も捜査関係者への接触を重ねた。そしてついに同じものを独自に入手〉という『文春』の取材力はさすが。

 ただし、党本部からの入金を〈安倍マネー〉は言い過ぎ。夫妻が言うように収支報告書に記載し報告すれば違法ではない。

 運動員の日当の件も、実際に1万5千円の法定限度額でやっている議員はほとんどいないというのが永田町の常識。法改正すべき問題だ。

 文春の左柱「杏と離婚危機 東出昌大『未成年不倫』」ともう1本「櫻井翔『同(どう)棲(せい)彼女』とハワイでラブラブ撮影会」は、ま、どうでもいい話。ページのムダ。

 『週刊ポスト』(1・31)の袋とじ小冊子「禁断の『原価』」。大手チェーンのブレンドコーヒー〈定価約200円→原価約10円〉、ファミレスのハンバーグステーキ〈定価約450円→原価約100円〉などには驚いた。  




運動員の日当の件、大盤振る舞いが裏目に・・この問題のポイントは、河井議員に渡された党本部からの1億5千万円の選挙資金、同じ自民党の対抗馬には1千5百万円だというからエコヒイキ極まれりです・・そして政党助成金って国民の税金が原資ですからね。



政治家に金を持たせるとろくなことはない、政治家は清貧であるべきです。



では、映画の紹介です。



『テイラー・オブ・パナマ』(The Tailor of Panama)は、2001年に公開されたアメリカ映画。

ピアース・ブロスナン、ジェフリー・ラッシュ共演のサスペンス映画。ジョン・ル・カレの小説『パナマの仕立屋』を原作としている。

ストーリー:

イギリスの諜報員アンディ・オズナードは、日頃の行いが原因でパナマに左遷されてしまう。

彼に与えられた任務は、アメリカ合衆国からパナマ運河を返還された後の、パナマの政情を探ることだった。

そこで早速オズナードは、政府の裏事情を知る情報源探しを行う。

そこで彼が目をつけたのが、政府要人御用達の仕立屋ハリーだった。

オズナードはハリーを諜報活動に無理矢理巻き込み、パナマの政情を探っていく。 (ウィキペディア)



写真は、静かなる革命のミッキーが自殺したところに駆けつけたハリーが死人の手を組み替える場面ですが、死人の手が自分で動くというありえない演技にOKを出した監督は謎です。



諜報活動にはガゼも多いわけで、特に功を焦る諜報員と「そうあってほしい」という上層部の思いが、トンデモナイ情報を作り上げ、国家間の紛争につながるという例は現実にもありそう。



女と金にしか興味のない諜報員役のピアース・ブロスナンのはまり役でした。

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27

タイトルは27、本の紹介です。



27 (上下) (角川文庫) – 1994/9

ウィリアム・ディール (著), 田村 源二 (翻訳)




では、読者レビューです。



kindleのお客様 2006年10月3日

最近、久々に読み返してみて、改めて傑作だと確信しました。

ナチス政権下のドイツで立案された計画を遂行するために

ヒットラーの勅命により生まれた、コードネーム「27」と名付けられた美しき怪物と

その計画に気付き、ひとり彼を追う、魅力溢れる若きアメリカの大富豪フランシス・キーガン。

この二人の男が、自らの持てる力を全て使って戦う、追跡と逃亡の冒険活劇は

最後の最後まで一気に読ませる見事なストーリー展開で、文字通り時間を忘れる面白さです。

なのに、どんなレビューが書かれているかと思いきや、一人も書いていない!!!

しかも、新品で買えないってことは、ほぼ絶版状態。ありえないっす!!

こんな面白い小説が、まともに手に入らないってどういうことよ。

そりゃ12年も前に出た本だけどさ。そうそう出ないですよ、こんな素晴らしい娯楽小説は。

日本には冒険小説好きはおらんの? それとも、そんな人たち全員の手に渡ってしまったってこと?

そんな馬鹿なことを勘ぐりたくなるぐらいの本です。

このレビューを読んだ冒険小説ファンの中で、まだこの本を読んでいない方がいましたら

ユーズドでも手に入れて、ぜひ読んでください。

絶対お勧めします。



まさに掘り出し物を発見!

読んで損のない傑作冒険スパイ小説!

にもかかわらず、「東西ミステリーベスト100」にも入っていない!?

こうなるとある意味、文壇のミステリーです。



この作品の優れているところは多々ありますが、構成力や創造性という小説に不可欠な要素のほかに、考え抜かれたセリフ回しや時代背景の描写という大人の教養&エンターテインメントとして楽しめる点にあります。



また、作家デビューが50歳を過ぎてからと言うことで、作者が書いた本はそれほど多くはありません。

以下、発表順に並べると、

シャーキーズ・マシーン(1978)映画化

カメレオン(1981)

フーリガン(1984)

タイ・ホース(1987)

27(1990)

真実の行方(1982)映画化

邪悪の貌(1985)

Reign in hell(1997)

Eureka(2002)

9冊のうち晩年の2作品は翻訳されていないし、作者は2006年に82歳で亡くなっています。



では改めて、この本の魅力の1つですが、いろいろな警句や気づきがこの本から得られる点にあります。

例えば、ウィルソン大統領が「戦争で一番危険なのは、一致というモノが唯一の美徳となり、一致団結することを拒むものは罰を受ける」とナチス国家の本質を言い当てていることや、ユダヤ人を狩るために、ユダヤ人の血が混ざった人間を「役に立つ間は迫害しない」という条件で採用し、この条件が執拗なユダヤ人によるユダヤ人狩りを助長したこと、さらにドイツの惨状を傍観しようとする米国民に「この惨劇をストップする努力をしなければ、真実から目をそらしているすべてのドイツ人と同じ罪を犯すことになる」などハッとさせられる描写があちこち出てきます。



そして、これほど面白い本が再版されていないので、中古本でしか読めなくなっている現状に驚きです。



次の話題です。



松田瑞生、日本歴代6位2時間21分47秒でV!

東京五輪代表入りに前進

1/26(日)

 大阪国際女子マラソン(26日、ヤンマースタジアム長居発着)東京五輪代表の最後の1枠を懸けた選考レース3戦の2戦目。松田瑞生(24)=ダイハツ=が日本歴代6位となる2時間21分47秒で2年ぶり2度目の優勝を飾った。日本陸連の設定記録(2時間22分22秒)を破り、代表入りに前進した。

 戦いの舞台に地元・大阪を選んだ以上、負けるわけにいかなかった。昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)3位の小原怜(29)=天満屋=が17キロ過ぎで先頭集団から離脱し、リオデジャネイロ五輪代表の福士加代子(37)=ワコール=は25キロ過ぎで棄権。ライバルが離脱する中、松田は31キロ付近でミミ・ベレテ(31)=バーレーン=を突き放し単独トップに立つと、前だけを見据えた。

 MGCは序盤から後れを取り、最後まで実力を発揮できず4位。周囲から東京五輪代表の最右翼とも目される存在だっただけに、レース後は人目をはばからず涙を流し続けた。

 その悔しさがしばらく尾を引き、代表最後の1枠を争う「MGCファイナルチャレンジ」にもなかなか気持ちが向かず、一時は引退を考えるまで気を落とした。そんなとき、母・明美さん(54)にかけられた言葉が胸をついた。

 「辞めるんやったら、とことん潰れたらええねん。日本記録を狙いなさい」

 競技を辞める意志を固めつつあった時期だけに最初は困惑もしたが、指導を仰ぐダイハツの山中美和子監督に相談すると「私もそう思う」と助言され、覚悟が決まった。

 雨にも負けず風にも負けず、走り込んできた。昨年12月上旬から約1カ月半、強化合宿を行った米アルバカーキの天候は荒れに荒れた。みぞれに強烈な向かい風。過酷な条件下、標高約1500メートルの高地で追い込みをかけた。

 大阪国際は初マラソンだった2018年大会で優勝した相性の良いレースだった。大阪薫英女学院高時代から駅伝で活躍し、大阪に本拠を置くダイハツに入社。MGCから4カ月あまりだが、地元で走ることには強いこだわりがあった。

 日本陸連の設定記録を大幅に上回り、最後の代表選考会となる3月の名古屋ウィメンズに出場するランナーたちに強烈なプレッシャーを与えた。浪速路で復活したド根性娘が、人事を尽くして天命を待つ。




松田選手の覚悟の走りに拍手!



写真は、競技場に入る手前で逆走する係員とあわやぶつかりそうになる瞬間・・年寄りの係員は本当に使えない。



では、名画の紹介です。



『海外特派員』(Foreign Correspondent)は、1940年のアメリカ映画。アルフレッド・ヒッチコックのハリウッドにおける二作目の映画作品であり、第二次世界大戦前夜の欧州を舞台としたサスペンスである。

あらすじ:

第二次世界大戦の直前、アメリカの新聞記者ジョニー・ジョーンズは、特派員としてヨーロッパに派遣された。

ロンドンで、和平の鍵を握るオランダの政治家ヴァン・メアへの取材を試みるジョニー。平和運動家で富豪のフィッシャーが、ヴァン・メアの歓迎パーティーを開き、その席でジョニーは、フィッシャーの娘キャロルと知り合った。

平和会議の取材のために、アムステルダムへ向かうジョニー。その会場でヴァン・メアが射殺された。犯人を追跡したジョニーは、死亡したヴァン・メアが替え玉であり、本物はドイツのスパイ組織に拉致されたこと、そして、事件の首謀者がフィッシャーであることを突き止めた。

何も知らないキャロルに恋心を抱きながらも、フィッシャーとの駆け引きにキャロルを利用するジョニー。ヴァン・メアの救出には成功したが、ジョニーの行動に不審感を抱いたキャロルは、父と共に飛行機でアメリカに向け飛び立った。英・仏の対独宣戦により、ロンドンも安全な場所ではなくなったのだ。

ヴァン・メアの証言によって事件の全貌が明かされ、フィッシャーは飛行機がアメリカの空港に着陸次第、逮捕されることになった。覚悟を決めて娘に真実を告げ、自ら死を選ぶフィッシャー。

後にキャロルと共にロンドンに戻ったジョニーは、激しい空襲の最中にも、ラジオで熱心に戦況を伝え続けるのだった。 (ウィキペディア)




礼儀正しく凛々しい悪役像を創作した記念碑的作品です。



ドイツのために魂を売った父親だが、娘に真実を話し、最後は他人を助けるために犠牲になる・・悪役がかっこいいなんて反則です。



1940年のヒッチコックの実力を発揮した2作目の米国映画です。ちなみに米国1作目はアカデミー賞をとった「レベッカ」です。

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